2006年02月02日

全米自動車労組UAW

全米自動車労組UAWは、「強い労働組合が会社を破滅へ向かわせる事例」として引き合いに出される。
というのは、会社がつぶれそうでもUAWは、獲得した権利を手放そうとしないのだ。
第1四半期に11億ドル(約1200億円)の最終損失を計上したGMは、今年の医療費負担額が56億ドル(約6100億円)にまでのぼると見られることから、医療費削減に目をつけ、UAWに合意を迫っているが、UAWは頑強に抵抗している

また、英国のローバーが破綻したのも、労働組合が「産業ロボットの導入」に反対したからだといわれている。しかし、それにはこういう事情がある。
アメリカ・ヨーロッパのような職能別の労働組合では、新型機械や新式装備導入で、特定技能工は、再教育による職種変換を迫られたり、削減を迫られるのだ。このため、特定職能の労働組合の激しい抵抗に合ってしまい、大混乱を伴うため、工場設備の大規模革新は,極めて困難であった。

というわけである。一方、日本は年功序列組織だったため、
年功序列の組織では、技術革新による設備更新が労働者の職種転換をきたしても、何の混乱もなかった。同一企業内に留まれるなら、職種転換は労働者に容易に受け容れられるたためである。

つまり、労働組合が無茶を言っているのではなく、雇用形態の違いから、生活を守る為には抵抗せざる負えないというだけの話なのだ。

そして、先の全米自動車組合が牛耳るGMでも、実は賃金そのものは同業他社と同じくらいなのである。つまり、UAWがスト権を楯に無理矢理賃金を引き上げているわけではない。
実は、GMが伝統ある企業な故に、既に引退した人が多く、その医療費負担と年金負担に苦しめれているだけなのである。

そもそも、「ものわかりの悪い労働組合が、無謀な条件を引き出して、会社を倒産の危機に追い込んでいる」というのは幻想である。
よく考えれば、同業種で労働者の雇用条件が同一であれば、どんな無茶な要求だったとしても、企業間の競争は生まれない。企業間で差が生まれるとしたら、労働組合未加盟の労働者により、「抜け駆け」された場合だけだ。
そういえば、日本には御用組合といわれる、経営者寄りの企業内組合が多い。
一見、労使が協力すれば、会社の業績が良くなって、利益は自分にも帰ってくるように思える。しかし、他社も同じように、不利な条件で働くのを呑んでしまったら、今度は条件切り下げ競争が始まるだけなのだ。
posted by ポスト小泉チルドレン at 22:49| Comment(1) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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